エンジン加工
2023/04/10
最後の手段
お世話になっております。フロント藤永です。
弊社では様々な古いエンジンの再生依頼も多くいただいております。
とはいえ人気のあるエンジンはある程度決まっていますので、依頼をいただく種類もある程度限られてきます。
そもそもマイナーなエンジンは部品等が揃わないので、再生できないという面もありますが。
そんな中、今回「おや?」と思ったエンジンがこちら。
トヨタ9Rエンジンです。古いトヨタロゴが渋いですね。
このエンジンはピストンが固着し、シリンダーから抜けなくなっている状態でお預かりしました。
なんとかピストンは取り出したものの、シリンダー内壁はかなり腐食した状態でした。
本来であれば、シリンダーボーリングを行い、オーバーサイズピストンを使用するところですが、
残念ながらオーバーサイズピストン手に入らなとのこと。
なんとかスタンダードのピストンリングセットは入手できたので、比較的軽傷であったピストンは修正し、再使用します。
問題はシリンダー内壁ですが、ここはスリーブ入れボーリングを行います。
シリンダーを更にボーリングし、そこにスリーブ(パイプ状の素材)を圧入します。
スリーブが圧入されたシリンダーボアはスタンダードの内径より小さくなっていますので、
あとはピストンに合わせて、もう一度ボーリングを行います。その後、ゴニョゴニョと後処理をしますと、
こんな感じに仕上がります。
うっすらシリンダーブロックとスリーブの繋ぎ目がおわかりでしょうか。
これでシリンダーはほぼ新品同様です。ピストンは、、、頑張ってくれ。
なかなか維持の難しいマイナーエンジンですが、思い入れのある車を大事にされたい場合もあると思います。
お役に立てるかもしれませんので、諦める前にぜひ一度ご相談ください。
投稿者: 藤永