名古屋のエンジン再生・修理、加工
株式会社コクカ

お世話になっております。フロント藤永です。

今回は、意外とお問い合わせや相談の多い「折れたボルトの抜き取り」について。

弊社では、単に「ボルト折れ抜き」などと読んでいますが、固着したボルトを緩める時にボルト自体が折れてしまうこと。

作業終盤にに発生すると、まあまあ途方に暮れます。比較的納期間際で発生することも特徴的です。

これもよくお問い合わせいただくのですが、「ボルトが緩まなく折れそうなので、緩めてください。」というもの。

なかには温めて緩む場合もあるのですが、基本的に固着したボルトはどうやっても折れます。

というか、、、まず折ります。または根元付近で切断します。

あとは残ったボルトの中心に、ドリルでまっすぐ穴を開けていきます。

徐々に穴を大きくしていくと、ボルトがネジ山だけになるので、残ったネジ山がコイル状になり、クルッと取れます。

、、、と、書くのは簡単ですが、実践は簡単ではないようです。

ネジ穴を痛めてしまったり、ドリルが折れ込んでしまったり、、、。

今回、ご依頼いただいたのは、空冷ポルシェシリンダーヘッドの排気側スタッドボルトです。

ここはよく固着する部分なのですが、今回固着していたのは12本中4本でしたので、比較的軽症です。

ネジ穴も傷んでいることが多いのですが、今回はタップ立てで大丈夫でした。

地味ですが高い技術を要する「ボルト折れ抜き」ですが、弊社の大ベテランにコツを聞いてみたところ、

「絶対抜き取るんだ！という強い意志」とのことでした。まさかの精神論です。気合です。

あと、ボルトが折れてしまった場合、あまり手をかける前にお問い合わせください。

ドリルや逆タップが折れ込んでしまっていると、その後の作業がとても困難になるので、費用もかさんでしまいます。

ちなみに、固着してしまったボルトは基本的に逆タップでは取れませんので、ご注意ください。

それでも、自分で抜き取るんだ！という方は、何卒”強い意志”を持って挑んでください。